男子シングルス2回戦で、日本の「現在」と「未来」のエースが初めてぶつかる。リオデジャネイロ五輪銅メダルの27歳、水谷隼(木下グループ)と、史上最年少の13歳で日本代表入りした張本智和(エリートアカデミー)。1日午後(日本時間1日夜)の対戦に向けて、倉嶋洋介・男子監督は「天才2人が戦うのだから、僕は第三者として見たい。もう卓球ファンになってしまいますね」と興奮を隠せない様子だ。

 31日の1回戦はどちらも自分の持ち味を発揮した戦いぶりを見せた。初勝利を飾った張本は得意のバックハンドに加えて、フットワークを駆使してラリー戦を展開。小手先の技術に頼るのではなく、真っ向勝負の打ち合いでベルギー選手を圧倒した。倉嶋監督も「世界ランキング20~30位台の戦いぶりだった」とたたえる。

 一方、水谷は初対決の相手に無類の強さを見せる。初戦の香港選手も初顔合わせだった。水谷は最初のゲームであえて打ち合い、その実力を見極めた。「圧倒的に技術で上回っている」と確信すると、相手の戦意をくじく作戦に出た。勝負どころでタイムを求める相手の様子からサーブを変えることを察知。コースを読み切り、レシーブで仕留めた。経験に裏打ちされた観察眼とそれを可能にする確かな技術がある。

 対照的な2人だが、14年の年齢差を超えて互いを認め合う。世界王者を目指す張本は水谷について「いつかは超えなければいけない相手」と語る。水谷も簡単に道を譲るつもりはない。「立ちはだかる者は敵。蹴散らすまで」と不敵に笑った。